Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
久米 民和
第23回日本アイソトープ・放射線総合会議論文集, p.1 - 8, 1998/00
植物用に開発したポジトロンイメージング装置を用いた研究を紹介する。TIARA AVFサイクロトロンを用いて、Coガス、NO、F-水、F-グルコース、C-メチオニンなどの標識化合物を製造し、植物に供給して植物体内における移行を計測した。Cに関して、Coを葉に供給したコムギにおけるC光合成産物の根への短時間の移行、とくに幼根の先端への蓄積を示す鮮明な画像を得た。また、C-メチオニンを用いたアミノ酸転流に関するデータを得た。これらは、生きた植物体内におけるC化合物の移行をほぼリアルタイムで画像化した世界で最初の例である。また、NOやNHを用いたイネやダイズにおける窒素転流、F-水を用いた水の動態計測の例などについても述べる。
久米 民和; 藤村 卓; 石岡 典子; 内田 博*; 辻 淳憲*
Nature, 389(6649), 1 Pages, 1997/09
浜松ホトニクス(株)が有しているNatureの広告ページに、ポジトロン放出核種を用いた植物体内における水、光合成産物、窒素化合物などの物質の動的イメージ計測法を紹介する。植物用のPositron Emitting Tracer Imaging Systemを開発し、植物の生体機能研究への応用を検討している。核医学分野で既に実用的に用いられているPETに比べ、本装置は空間分解能が2.5mm以下と高く、低濃度のトレーサーでのS/N比の良いイメージを得ることが可能などの特徴を有している。本手法を用いて、根から吸収された水や硝酸、葉で合成された光合成産物等の植物体内での挙動についての検討を行っている。切りバラにF-水を投与して、節部における移行を調べた結果、投与直後に葉への移行が観察され、その後ゆっくりと茎上部へ移行することが観察された。このように、本計測システムを用いることにより、植物の節部での溶質分配などの計測が可能である。
久米 民和; 松橋 信平; 島津 昌光*; 伊藤 均; 藤村 卓; 安達 勝彦*; 内田 博*; 石岡 典子; 松岡 弘充; 長 明彦; et al.
Applied Radiation and Isotopes, 48(8), p.1035 - 1043, 1997/00
被引用回数:53 パーセンタイル:95.04(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ポジトロン・イメージング装置を用いて、植物における水の吸収と移行について検討した。TIARAのAVFサイクロトロンで製造したF-水を用いて、葉の画像解析を行った。植物体としてはダイズを用い、切断した茎から2分間F-水を吸収させ、葉におけるF活性を50分間計測した。非照射のダイズでは5分後に最大値に達したが、100Gy照射試料では最大値に達するまで15分を要し、また吸収量も低かった。従って、100Gy照射試料では外見上の変化はほとんど認められないが、吸水能力は著しく低下していることがわかった。また、葉柄に近い部分の葉脈を切断した場合、吸収されたFの減少が認められるが、葉の先端でも活性が検出され、葉肉から水のまわりこみが認められた。以上のように本装置は植物体内での物質の移行をみるのに有効な手段であり、植物機能解明の研究に役立つと考えられた。
久米 民和
放射線と産業, 0(73), p.60 - 61, 1997/00
生体外から非破壊で計測でき、生体の機能を生きたままの状態で観測するのに有効な手段であるポジトロン・イメージング計測の植物への応用を紹介した。本研究に用いている装置では、ほぼリアルタイムで植物体内のポジトロン放出核種の二次元画像を得ることができる。ここでは、F(半減期110分)を用いた照射切りバラにおける画像、C(半減期20分)を用いたコムギの葉からのCOの取り込みと根へのC化合物の移行について簡単に述べた。
久米 民和; 松橋 信平; 島津 昌光*; 伊藤 均; 内田 博*; 辻 淳憲*; 石岡 典子; 松岡 弘充; 長 明彦; 関根 俊明
Plant Nutrition for Sustainable Food Production and Environment, 0, p.169 - 170, 1997/00
線照射処理した植物について、ポジトロン・イメージング装置を用いて物質の吸収・移行を計測した。4.85.0cmの平面検出器を2台対向させ、消滅線を計測することにより画像を得た。ダイズの切断した茎からF-水(5MBq/ml)を2分間吸収させた後、30分間計測した結果、葉におけるF量は10分以内に最大値に達した。しかし、100Gy照射して障害を与えたダイズでは、吸収・移行が著しく遅くなり25分以上を要した。切りバラの殺虫を目的として800Gyの線を照射した場合、花部へのFの移行は非照射に比べ著しく少なかった。2%のグルコースを添加すると吸収回復効果が認められた。これらの結果は、肉眼的な開花遅延効果に対応しており、植物の障害及び回復機能を調べる上で有効な手段となり得ると考えられた。